鹿児島県統一模試・宮崎県統一模試・小学生学力コンクール【鹿児島県教育振興会】

普段考えていることは

「寿限無寿限無‥」と聞くと、ほとんどの人が「五劫の擦り切れ、海砂利水魚‥」と続けるのではないでしょうか。言葉そのものの座りの良さというのもあるのでしょうが、小さい頃に聞いたものはいつまでも心に残っていることが多いようです。

私は子どもの入園をきっかけに読み聞かせ活動に参加するようになりました。地元には(時代のせいもあるのでしょうが)そのような活動が一切なかったので、最初は興味本位で始めました。幼稚園では読む本に苦労はしなかったのですが、それが小学校・中学校となってくると何を読めばいいか苦慮します。そんなときに古典落語の絵本があることを知り、よく読むようになりました。その中に「寿限無」があったのです。
実際に読んでみると驚きました。子どもたちの学年によって反応が違うのです。あくまでも「落語」ですからオチがあります(「寿限無」の場合は、寿限無くんが喧嘩に巻き込まれ、それを親に知らせに行ったところ、寿限無くんの名前があまりにも長すぎるために、内容が伝わるまでに時間がかかり、伝わった頃には喧嘩が終わっていた、というのがオチです)。高学年や中学校であればこれが伝わるのですが、低学年の子どもたちの楽しみ方は違います。彼らは「寿限無寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚 水行末 雲来末 風来末 食う寝る処に住む処 藪ら柑子の藪柑子 パイポパイポパイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」を一緒に発音することを楽しみます。最後まで言えた子の鼻は驚くほどに高くなるのです。寿限無くんの名前は全てめでたい内容から来ているのですが、そんなことは関係なく、とにかく「音」として認識しているのですね。

普段聞いているものや過去に聞いたことがあるものはふとした瞬間に頭の中に出てきます。私も経験がありますが、それがテスト中に支えになったりはたまた邪魔になったり、、普段考えていることも同じですね。テスト中に何となく頭の中で流れているものが支えになった経験のある人は多いかもしれません。

受験が佳境を迎えている今、日々の学習で身につけた様々な内容が皆さんを支える糧になるよう願っております。

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